親知らず

親知らずについて

第三大臼歯・智歯とも呼ばれているあまり必要のない永久歯です。

親知らず

通常、人間の歯は上下合わせて28本生えてきますが、親知らずを加えると最大で32本の歯が生え揃うことになります。
親知らずは一般的に17~30歳頃に生えてくる永久歯で、前歯から数えて8番目の歯のことをいいます。第三大臼歯・智歯とも呼ばれているあまり必要のない永久歯です。

この親知らずに関しては、生えてくる人もいれば骨や歯肉(歯茎)の中に埋もれた状態であったり、あるいは親知らずそのものが存在しない人もいるので必ずしも32本の歯が生え揃うとは限らないのです。
また、この親知らずは大人(10代後半~30歳前後)になってから成長してくるといった特徴があります。

痛みの原因

  • 原因1 智歯周囲炎:親知らず周辺部の歯肉が炎症を起こす
  • 原因2 虫歯:ブラッシングが上手く行えないために起こる虫歯
  • 原因3 圧迫:隣接する歯を圧迫するために起こる痛み

親知らずが痛んだら、抜かなければいけない?

親知らず

通常、永久歯は12歳頃に生えそろいますが、親知らずが萌出してくるのは15歳くらいからで、20歳過ぎにはえてくる方もおり、個人差があります。また、先天的に親知らずがない人もいます。

食生活の変化により昔に比べ顎の成長が劣ってきているといわれています。そこで顎の骨が小さいと親知らずのはえてくるスペースが不足し、横になっていたり萌出せずに顎のなかに埋まったままになるケースが多いのです。

親知らずの不完全萌出や、ブラッシングなどの問題により、汚れなどが周囲に付着し、親知らずのまわりの歯肉が炎症を引き起こします。これを智歯周囲炎といいます。
腫れがひどく痛みが強い場合は抗生剤や、鎮痛剤などが必要になることもあります。
これで症状が落ち着ききちんとブラッシングできる状態になれば、抜歯せず保存していける可能性もあります。

親知らず歯並び

矯正治療などでは、治療後に歯並びが元にもどることのないよう、治療前に親知らず4本をあらかじめ抜いておく場合があります。
あまり生えるスペースがない状態で、親知らずが斜めに生えてしまっているケースでは、気がつくと以前より前歯の歯並びが悪くなってきた、などということが起こるからです。

いつから歯並びが悪なる?

親知らず

親知らずの生えてきていない中学生~高校生ぐらいまでは歯並びが正常でも、大人になってから歯並びがおかしくなってくることがあります。この歯によって、後方から押され歯列のズレが起こってくることがあります。親知らず萌出前には歯並びに心配のなかった人でも、歯列悪化には十分注意をしておく必要があることを覚えておきましょう。

親知らずを抜歯したほうが良い場合

  1. 横向きに生えている場合
  2. 中途半端に生えてきて、一部だけ萌出してる場合
  3. 歯ブラシがうまく届かずブラッシングが不便な場合
  4. 歯並びを悪くする恐れがある場合

親知らずを抜歯しなくても良い場合

  1. 手前の歯と同じように生えてきていて、ブラッシングに問題ない場合
  2. 骨の中に完全に埋まっている場合

抜歯の流れ

①カウセリング、診査診断

お口の中を診させていただき、抜歯についてご説明させていただきます。
必要に応じてレントゲン写真を撮影します。簡単な抜歯であれば当日に抜歯を行うこともあります。

②抜歯

当院では水平埋伏智歯の抜去に際しては歯肉の切開をほとんど行わず比較的短時間で抜去します。その方が抜歯後の腫れや開口障害を少なくできます。抜歯をする場合にはあらかじめ抗生剤を服用して術後に起こりやすい炎症を少なくすることが大切です。

③消毒

1~2日後に抜歯した部位の消毒をおこないます。

④抜糸

抜歯後7~10日ほどしてから糸を取ります。

術後の腫れについて
一般的には抜いた後には腫れると思って下さい。個人差もありますが腫れのピークは2日程度で、その後は治まっていきます。痛みに関しても抜歯後1~3日はありますが、抗生剤、鎮痛剤を処方いたします。